一角獣の目

忘れないための日記帳

数年前はそちら側だった

 新居の契約書類に必要な証明写真を撮りに、ひとりで三十分ほど歩いてスーパーへ行った。川沿いの狭い道路は中学校の登下校路になっていて、学ランやセーラーの視線が私に刺さる。外で知らない人に顔を見られるのがとても苦手だ。どうしてみんなそんなに人の顔が気になるんだろう、と思いながらいつも自分の三メートルくらい先を見ながら歩いている。数人の中学生に「こんにちは」とあいさつされ、数回は口ごもってしまい意味不明な音を発しただけでちょっと不審者チックになってしまったが、最後の一回はきちんと「こんにちは」とあいさつができた。少しうれしかった。そういえば私も中学生のころは、すれ違う近所の人にあいさつをするような子供だった。いつからこんなになってしまったんだろうなあと考えつつ、その後の写真写りが悪かったことは気になったけど、おおむね満たされた一日だった。明日天気がよかったら、また歩いて図書館へ行こうと思う。