一角獣の目

忘れないための日記帳

いちばん

 中学のころから付き合いのある、大好きな友人がいる。幸運なことに中高は一緒だったし大学に進学しても同じ市内に住んでいるので、今でも時間が合えば二人でご飯を食べたりお酒を飲んだり互いの家に泊まりに行ったりする。漫画や音楽の趣味も近しくて、話も合う。根暗で人付き合いが苦手な私とは対照的な子で、人気者だし友達も多い。どうして私なんかに付き合ってくれるんだろうと会うたびにいつも思う。

 そんな彼女だけど、当然私は彼女にとっての一番ではなくて、ふとした瞬間にそれを自覚してせつない気持ちになることがある。ただの嫉妬といえば嫉妬なのだけど、私にとって彼女はもっとも親しい人間と言っても過言ではないくらいで、それでも彼女にとって私は数ある友人の中の一人でしかなくて、そういうことを考えるとモヤモヤするのだった。こんな独占欲めいたものを抱えている自分も気持ち悪いし、ただの友達になんだよと、悩む私を笑う私もいる。

 このブログにも書いたように、今月初めに友人のサプライズパーティーを催した。そのパーティーの企画人に彼女もいて、というか彼女の発案で計画が始まった。いろいろな案を出して、プレゼントを用意して、手紙を書いて、そういうことをしている彼女を見ていて「こんなに人に尽くせるなんてすごいなあ」と思った。そして気がついた。自分はだれかに、こんなに尽くしたことがあっただろうか?

 尽くしていないのだから、尽くされるなんてことはたぶんきっとない。私はいつだって自分のことで精いっぱいだ。愛してほしい。愛されたい。それじゃダメなんだ。自分が人を好きになって、大好きになって、その人のために何かしてあげられるような人間にならなくては、きっと私は一生このまま、誰にとっての一番にもなれないまま、モブのまま死んでいくのだと思う。「誰かにとっての一番になりたい」っていうのは結構汚い感情だとは思うけれど、IBS持ちの私にとっては高望みかもしれないけれど、いつか。いつかそういう人に出会いたい。まず、今周りにいてくれる人を大切にしたい。