一角獣の目

忘れないための日記帳

自己満足

  同居している祖父母と回転寿司へ行ったのだが、隣のテーブルで男子高校生二人が「人を好きになるのは自己満足でしかない」という話をしており。炙りサーモンを口に運びつつ、自分もそういう考え方をするところがよくあるなあと、回るレーンを物色しながら思考は深みにはまって行くのだった。

夢は記憶か

 とても眠いので少しだけ。

 電車の中で、膝の上に抱えたリュックに顔を埋めて寝ていて、ほんの少し夢を見た。詳細には覚えていない。だけどたしかに夢を見ていたと思う。夢って不思議なもので、思い出そうとすれば思い出そうとするほど遠くへ行ってしまう。発車する電車に揺られながら歯がゆさを感じつつ、覚えている夢と覚えていない夢の違いってなんなんだろうと考えた。どうか今日見る夢は、心地よくて、楽しくて、幸せで、そして朝目覚めたときにほんの少しでも思い出せますように。

 今日、髪を切っていただいた男性の理容師の方が、とてもきれいな指をしていた。その指が前髪を切るべく顔の前にやってくるたびに、鼻息が荒いとか思われたらどうしようと考えて、私は息を止めた。ド近眼の私は、散髪されているときには眼鏡を外さなくてはならないために全く周囲が見えず、鏡を見ることさえできない。私の瞳がギリギリ輪郭線を捉えることのできる顔から15センチ先のところで、左手薬指のリングが光っていた。

 私は自分の手が嫌いだ。こどもっぽくて、指は太いし、ペンだこもあるし、肉もついていて、右手の小指はかつての骨折の痕で少し歪に曲がっている。父親の手によく似ている。きれいな手になりたいなあと、最近指のマッサージを始めた。身体が痩せていくのと一緒に、指も細くなっていけたらいいと思う。

チョコレート

 どうしてもチョコレートが食べたくなって、妹にお遣いを頼んだ。毎日玄米茶粥の食生活はあまり苦にならないけれど、お菓子を全く食べないというのは相当堪えていたみたいで、昨日の夜twitterでチョコレートの画像を見た瞬間、脳がその美味しさを思い出したのか、チョコレートが食べたくて食べたくてしょうがなくなってしまったのだった。減量中だが、毎日筋トレはやっているし、微々たるものだけれど着実に体重は落ちているし、一日ひとかけらずつくらいなら甘いものを食べてもいいのではないかと思った。甘えは禁物だけれど、我慢しすぎてストレスが溜まってしまったらきっと過食方向へ走ってしまう。実際、私が肥っているのは度重なる過食のせいだし、欲求とはうまく付き合っていかなくてはならない。

 妹が買ってきてくれたのは、THE Chocolateのベルベットミルクだった。CMでこの商品を見るたびに私が「食べたい」と言っていたのを覚えてくれていたのだろうか。3ピース入っているうちのひとつを開封して、小さく割って、口の中へ入れた。……びっくりするくらい美味しかった。ミルクの風味と少しだけナッツの香り。とんでもなく濃厚だった。チョコレートのありがたみを感じた。

 1ピースを食べ終わって、あと2ピース。昨年の私なら一気に食べてしまっている。しかしもう私は変わったのだ。外箱を閉じて、手帳の上にそっと置いた。明日、運動した後に食べよう。「我慢」できるようになったことが増えてきたのはここ一か月で気付いた嬉しいことだ。自分とうまく付き合っていきたい。空腹を無視するためにそろそろ寝る。

 熊に襲われる夢をよく見る。

 今朝もまた、白い熊から逃げる夢を見た。占いなんてものはあまり信じてはいないけれど、夢占いにおいて、熊が出る夢は母子関係を象徴するらしい。母親との関係は決して悪くはないと思っているが、いざこざがないかと言われれば否定できない。我が家の家庭事情は少々複雑で、中高生時代に精神が不安定になるのは、たいていそのことについて考えたときだった。今はいい意味でも悪い意味でも吹っ切れて、あまり深く考えないようになったのだけど。

 私を襲う熊は母親なのか? 無意識下で、私は母親を嫌っているのか? しかし、熊に追われる夢を見ているとき、悪夢を見ているときに感じるような切迫感や恐怖心は不思議と湧いてこない。熊の夢を見て目覚めた朝は、旧友に久しぶりに会ったような懐かしい気持ちで夢日記をつける。私の中の熊はいったいなんなのか、わからないけれど、いなくなってしまったら、夢に彼(彼女)が出てこなくなったら、それは寂しいことだと思うのだ。

鍛錬

  今日はすっと目覚められたので、少しだけ布団の中で夢の余韻に浸って、喉元にちからを入れてさっと起き上がった。紅茶で体をあっためて、洗濯物を干して、掃除機をかけて、そうしているうちに身体が目覚めてきたので、今日は録画したビデオを消化しながら筋トレをしようと決めた。今期ドラマの1話とか、詩人の人生とか、午後になって見るものがなくなったら大相撲とかを眺めながら、足を振り上げたりボールを持って体をひねったり、そういうことをした。今これを書きながら腹筋が少し痛むのを感じて、ほんの少し達成感みたいなものを拾い上げられた気がする。健康になりたい。

痩せる

  服とかバッグとかアクセサリーとか、そういったものを通販サイトで色々見ていて、タイムセールとか今だけ送料無料なんて言われると思わずカートに入れてしまいそうだったけれどそれでは昨年犯した過ちをまた繰り返してしまうのでぐっと堪えた。コンタクトも買わなきゃ、今度友達のところへ行くし電車代もかかる、などと色々考えて頭の中に札束が舞い始めて、でも服飾にお金をかける前に痩せなければなと思って、晩御飯を我慢した。続けたい。